妊娠・出産・育児日記

ノックの音が

2008年7月10日:代表ブログ(2007年10月〜2010年10月)掲載からの転用

代表 平野聡子 / satoko hirano

初の妊娠、出産、育児。約4年間の記録。

昨夜、ウンポコさんは徹夜決定だしレンも寝たし、いろいろ溜まってる雑務をやろうかな~とひとりPCに向かったものの、何だか集中できずにyoutubeを見たりダラダラとアイスを食べたりしていた深夜2時。
 
「コンコン」とノックの音がした。
 
ちなみにうちのマンションのゲートはオートロックならぬ、手動ロックで住人のみが暗証番号を知っていて自分で鍵をかける仕組み。
この時間に住人以外が入ってくることはまず無いはず。
だとしたら住人の誰かがやってきたのだろうか?
こんな時間に?
2年近く住んでいるけどこんな風にノックされた事は一度もない。
 
わたしは気のせいだったらいいなー・・・と思いながらもう一度、時計を見た。
深夜2時10分を少し過ぎたところだった。
 
「コンコン」「コンコン」と、今度は2回続けてノック。
その音にちょっと飛び上がりそうになりつつ、残念ながら気のせいではないみたいだし、どうしよう・・・と考えている間にもノックの音は急かすように続く。「コンコン」「コンコン」「コンコン」
 
住人の誰かだったとして、朝まで待てずこんな時間にやってくるという事は。
 
1.よっぽど緊急のクレームかお願い
2.気が狂っている
3.幽霊
 
だいたいこの3つのうちのどれかだろう。
そして普通に考えれば1.が濃厚・・・でもクレームの覚えは無いし(レンはほとんど泣かない子だし今だってぐっすり眠っている)お願い?助けて、とか?何!何なのよ!?こわいっ
そうだ。とにかく誰か確認しなきゃ。
わたしはドアについているのぞき穴をそっと、のぞいてみた。
 
色白の女の人がいた。
髪が短くて、やせている。
 
コンタクトを外していたので、ぼんやりとしか見えないけどその女の人に見覚えはない。住人の誰かだと思っていたわたしはにわかにテンパって音をたてないようドアからサササッと離れた。
あ、あのひとは誰・・・!?
 
そしてもう出ない事に決めた。何か緊急だったら本当にほんとうに申し訳ないけれど、こっちにはレンがいるのだ。何もなかったとしても騒ぎで起こしたくない。
 
すぐ諦めてくれると思いきや、それからしばらくノックの音は続いた。
恐怖新聞(つのだじろう)の投函だってここまで恐くないだろうというくらいガクブルと寿命を縮めながら、わたしは最悪のケース、つまり翌朝のニュースで都会の片隅で起きた暗いニュースが報道されるのを脳内で何度も再生した。
 
まんじりもせず朝を迎え、テレビをつけてみるも...
わたしが想像したような事件は見当たらない。マンション内もいたって静か。
なんだったんだろう?
 
そして今ふと、てことは、2.か3.だったらどうしよう。と恐怖新聞の投函だってここまで恐くないだろうというくらいガクブルと怖がっているのであります。
まぁでも、もし今夜も訪問されたらお茶でもだそうかな。