新しいアプリをリリースしました!
baby rattle bab babから5年ぶりに。
思い返せば、5年前。
1才半の小さいむすこを連れて、1人で新幹線に乗り神戸に帰省した時のこと。
まだ子連れ旅に慣れていなかった当時のわたしは、指定席をとっていなかった。
(今ならありえない!授乳もできる多目的室から、いちばん近い12号車の最前列をみどりの窓口でちょっ早de鬼キープ)
自由席でなんとかなるか〜!実質、子ども抱っこだから席ひとつだし。と楽観して新幹線に乗り込んだ。
始発の東京駅から乗ればなんとかなったかもしれないけれど、そこは品川。
週末、出張帰りのサラリーマンでごった返す自由席の車内は、殺伐とした椅子取りゲームさながらで、あれよあれよという間に空席は埋まってしまった。
座ると同時にプシュッと缶ビールを開ける音がサラウンドであちらこちらから聞こえる。
その音は、サラリーマン達がイカリをおろして停泊する合図でもあった。
「もう、ここから動きまへんで」と。
そんな戦況下で、ベビー抱っこ+大きな荷物でノロノロしている装備不足のわたしに、席を確保できるはずはなかった。
子連れだから譲ってもらえるかも?なんて淡い期待は、東京で育児をしだしてからかなり早い段階で
「期待するべからず、しからば落胆もしない」
というドライな諦観に変わっていた。
「まぁ泣いてぐずったら、どうせ座ってられないしな。」
とデッキに出て、自分の荷物の上に座ったり、むすこが泣きだしたら立ってあやしたりしていた。
寝てくれればいいものを、うまく寝付けないのかグズグズしだすむすこ。
抱っこからおろせ、としきりに主張してくる。
おろせば・・・いいじゃない?
おろせば最後、2時間45分の快適な列車の旅は、デストレインと化す。
全車両の端から端までパトロールする、飽くなき探究心を持った1歳半男児の背中を、「すいませんすいません」と言いながら延々と追い続けるという地獄の幕開け。ヒィ、、、お、おそろしい。
こういう時の為の、伝家の宝刀アプリ我らがbaby rattle bab babは、残念ながら(それまでSNSを見すぎていて)iPhoneの充電切れで使えない、という我ながら阿呆なオチだった。
新幹線が名古屋に到着しても状況は変わらず、サラリーマン達の椅子取り合戦ののち、速やかにメンバーチェンジが行われるのを、デッキからぼんやりと見ていることしかできない。
彼らの目には、子を抱っこした母はどうやら映っていないようだった。
ああ、このまま新神戸まで立ちっぱなし決定かあ・・・と思ったそのとき。
目の前の自動ドアが急に開いた。
浪速のアンジーの優しさにふれて
そこには、見知らぬおばちゃんが立っていた。
いかにも『大阪のおばちゃん』といった出で立ち。
アンジェリーナ・ジョリーか、というほどの肉厚な唇にさらにオーバーリップ気味に塗ったピンクのルージュが印象的な、おばちゃんだった。
「あそこ、あいてんで〜!はよ座り!」
おばちゃんはそう言って、座席を指さした。
その一声で一瞬、車内がシーン。となった。
面食らいつつも、その座席の方を見ると、おばちゃんのハンドバッグと手荷物が1つずつ、2つの座席をばっちりキープしているのが見えた。
霊長類最速と聞く、大阪のおばちゃんのスピードは向かうところ敵なしだった。
おそらく、名古屋から乗り込んだおばちゃんは、デッキで子を抱え四苦八苦しているわたしの姿を確認し、すごい速さで2席を確保して、またデッキに戻ってきてくれたのだろう。
出張帰りの疲れたサラリーマンはおばちゃんの敵ではなかった。
「ありがとうございます・・・!」
おばちゃんはアンジーの口で、ニッと笑った。
ヤバイ、泣いちゃいそうだよ、おばちゃん。
浪速のアンジー
それから、何を話したのかはあまり覚えていない。
わたしは座席に座れてホッとした途端に、急に身体が疲れを自覚したのか、ものすごい睡魔に襲われていた。
ただ覚えているのは、むすこがちょっとぐずったりするたびに
「どないしたん?抱っこしたろか?」とか「アメちゃんたべるか?」とか言ってあやしてくれた。
確か、むすこと同じくらいの歳の孫がいる、とかいう話をしていたような気がする。
そうこうしているうちに、新幹線が神戸に到着した。
おばちゃんはもっと先へ行くようだった。
何度もお礼を言って、席を立とうとしたとき
「ちょっと待って!ええもん持ってたわ〜、忘れとった!コレ、持って行って」
とハンドバッグから何かを取り出した。
おばちゃんのハンドバッグはドラえもんのポケット。
その時いちばん欲しいものがでてくる、魔法のアイテム。
そんなハンドバッグから出てきたのは・・・
ヤクルト5本パック。
ホームに降り立ってから、わたしはしばらくその場に立ち尽くしてしまった。
ヤクルト5本を握りしめたまま。
おばちゃんのことは、全然知らないけど、もう会うこともないかもしれないけど、何かすごい大きな存在に守られてる気がした。
子連れでモタモタしているわたしを、おばちゃんは見つけてくれた。
「子どもはたからもん(宝物)やで。ちょっとぐらい泣いても、おばちゃんからしたら、なんや鈴が鳴ってるぐらいにしか感じへんわ!」
アンジー(口だけ)の笑顔が今でも忘れられない。
あんな風になりたい(笑)。
わたしはその時、アンジーからヤクルト5本という、力強い優しさをもらった。
肯定してもらった気がした。
今度はわたしが、初めての育児で戸惑ってるママ達に、配る番。
ヤクルトを。
いやいや、ヤクルトそんなにたくさん配ってどうする私。
だから、アプリをリリースしました。
まずは映像をごらんください。こんなアプリです。
このマーカーひとつとスマホがあれば、泣きだした赤ちゃんをあやしたり、遊ばせたりできるアプリです。
どんなに狭い場所でも、このマーカーを貼ればそこから音楽が飛び出して、オルゴールメリーが出現します。そこはまるで、赤ちゃんとママだけの小さな小さなプレイスペース。
想像してください。
これがたとえば「ベビーフレンドリー」のシンボルマークとなって、電車内や、デパート、公共の場所に貼ってあったら。
初めてその場にベビー連れで来たママは
「この場所にいていいんだ」と感じるんじゃないだろうか。
何か大きなものに、守られているって感じてくれるんじゃないだろうか。
「赤ちゃん連れてきてても、迷惑じゃないよ。大丈夫。」というメッセージを送りたい、と思っています。
このアプリを通して。
アプリリリース情報
AR MUSIC「baby sound kiku milk」
とびだす、みえる、さわれる、おんがく。
赤ちゃんごくごくミュージック「きくみるく」
◎ダウンロードはこちらから。
(iTunes Storeが開きます。無料)
◎公式ページはこちら。
↑この中にマーカーがあるので、アプリをダウンロード後、こちらのマーカーにかざしてお試しください。
※第1弾はレイエットメーカー、赤ちゃんの城と株式会社三越伊勢丹とのコラボバージョンとなります。第1弾アーティストは矢野顕子、細野晴臣など数多くのアーティストを魅了し、CM音楽・映画音楽等で国内外から高い評価を受けているgutevolk(グーテフォルク)さんです!
※プレスリリース(詳細)もこちらからご覧いただけます。