バブサロン

<バブサロン vol.03 レポート 後編 >Maker Faire Tokyoレポート勉強会

2018年10月19日

 

babytoi
バブバブ

前回までのお話はこちら

MFTからの、話題は子育て話に突入!

いつのまにか全員が【パパ・ママ】という立場で話し込んでしまい、何となく「お悩み相談」化していきバブたよ。

特にエンジニア出身の人って、頭の中が常に整理されてるから何を聞いても、答えがスッと返ってくるんでバブよね。

あと、畑ちがいの人に話を聞くと、見てる角度がぜんぜん違ったりするから、自分では考えつかなかった答えが返ってくることがありバブよね。

それがめっちゃ気持ちいいので「教えて、異業種先生!」というコーナーに急遽変更バブよ!

 

babytoi
バブバブ

バブサロン参加者は前回に引き続き、こちらの面々バブよ。


QUANTUM 
Chief Product Strategist:松倉昌志(まつくらまさし)さん


合同会社 アクト・スリー
Director/Editor:渡邊潤(わたなべじゅん)さん


CG Producer/CG Supervisor:
溝口結城(みぞぐちゆうき)さん


baby toi
代表:平野 聡子(ひらの さとこ)さん


Le-in Inc.
代表:木村 陽一(きむら よういち)さん

Q.マイナー志向の小学生ライフの充実のさせ方は?

ひらの

学校生活の充実度って【話の合う友達を見つけられるか?】で、かなり変わってくるんじゃないかなって思うんです。

時代は変わったと言っても、学校では30年前も今も変わらず「俺、スポーツできるぜ!足、早いぜ!勉強もまぁまぁできるぜ!」って子がモテのメインストリームを走っている

歴史が好きで、趣味は読書です。
みたいなキャラって、共通の趣味持った友達が見つけにくいし、運動会でも学芸会でも展覧会でも、スポットを浴びにくい。

そういう子が、充実した学校生活を送るためには、どうすればいいんですかね?

(注:個人の充実度は、外からは測れないので本人の満足度が高ければ、それで良いとは思っています。)

松倉さん

学校生活の中で、スポットが当たりやすいかどうか、ってのは【ランキングが存在するかどうか】じゃないですか。

スポーツ大会でも、俳句大会でもなんでもいいですけど賞とった、というのは「頑張ったね」というのがわかりやすい。
勉強だったり、サッカーだったりすると1番わかりやすいから、そういう子がメインストリームを走っている。というシンプルなことだと思うんですけどね。

学校で評価されなければ、学校以外の場所に目を向けたらいいんじゃないのかな

歴史好きでこのまま3年ぐらい経ったら、大学の講義に潜りこんでみるとかいいかもしれない。
そこで、ちゃんと勉強したい!と思ったら受験にも繋げられるし。

学校以外の場所で、評価された。というのを持ち帰って、学校で話題にする。というのは、戦略的にできるかもしれないね。

溝口さん

そうですね。学校以外での居場所や役割が確立されると、精神的に安定する。というのは、子どもによってはすごくある気がするんですよ。

逆に、学校以外の世界がヒマになって、友達との自由な時間が出来れば出来るほど不安定になったり。外の世界が忙しくなると、また学校も楽しくなってくる。

ひらの

大人でもそうですよね。仕事がヒマだと、なんだか家庭で荒れてしまう、みたいな(笑)
都会では、興味開発系の特殊な塾や寺子屋、自信を持たせてくれる場所の選択肢がたくさんある気がしてるので、もっと探ってみます!

Q.ネット上の情報、どうやって子どもに真偽を判断させればいいの?

ミスター牛乳

昔は情報を取れる場所が限られていたけれど、今はネットでいろんな情報がとれる分、こどもへの情報の与え方がちょっとわからなくなってるんです。

松倉さん

それは、僕らの子どもの頃と同じ考え方では、もう判断できないですよね。
話はそれますが、僕らは仕事で、情報の価値部分について考えなくちゃいけなくて。
今は情報の信頼性にフェーズが移って来ているんですね。

2000年頃は、自分の知りたい情報を的確に引き出すことが課題でした。知りたい情報はネット上にあるが、どこにあるのかわからない。

その後、検索ワードというのが出てきて「自分の知りたい情報」を得るには、どんなワードを入力すればいいのか?が明確になって来た。

その次はレコメンデーション。「あなたの知りたい情報はこれでしょう?」(amazonやnapstarなど)と自分の特性にあった、未だ知らない情報を教えてくれるようになった。

そして2018年の今、何が起きているかというと。

情報の出どころが一般化しちゃったので、信頼性の問題になって来てる。
フェイクニュースとかが代表的ですけど「まことしやかに流れて来た情報は、本当かどうかわからない」。ということ。
多分ここからは、そこのサービス開発が勃発してきます。

今、子どもにインターネットの情報を扱う上で伝えなくちゃいけないのは「この情報が、本当かどうか考えなきゃいけない」ということ。

そこが、メディアがちゃんと検証された情報を流していた、僕らの時代とは全く違うところなんですよね。

雪の宿

そこは親も、子と一緒に学んでいかなくちゃいけないですよね。
子どもの年齢とともに、親の方が知らないことの方が増えていく一方だから。

ひらの

ほんと、ネットの中って玉石混合ですよね。どうやって判断、取捨選択してけばいいのか?を大人ですら判断できない。
まして、子どもに上手に教えられる自信がない
から、まだ子どもにはスマホなどの端末を与えない。という結論にいたってる親って多いんじゃないかな、と思うんですよ。

うちの子だって、ロバート秋山のクリエイターズファイルに出てくる「日本初のクリエイター・田村蔵之松」を実在の人物と勘違いして「すげーヤバイ人がいた!」って信じちゃってましたからね(笑)。

松倉さん

結局、大人がどうやってそれを判断しているか?というと「怪しいかどうか」なんだよね。その「怪しさの判断」っていうのを、大人はどうやって獲得していくか?というのを考えると、やっぱり「本物を見ろ」ってことだと思うんですよ

例えば水平を守って描かれていない絵を見たときに「なんで、こんな描き方になってるんだろう?」と気付けるじゃないですか。
それは、これまでに水平をきちんと取っている絵をいっぱい見ているからで。だから違和感を感じることができる。

「違和感」というのは、ちゃんとしたものの裏返し。
プログラムも同じで、不具合に気付けるか?というのは「ちゃんと動く状態」を知っているかどうか、なんだよね。

知っていれば、全体を見たときに「ここがおかしいから、ここを直せば動く」と気付ける。だから、本物を見なくちゃいけない。野球でも、オーケストラでもなんでも。

 おひょいさん

確かに子どもだからといって、子どものレベルに合わせた(本物じゃない)ものを提供する。というのは、なんか違う気がしますね。子どもだからこそ、本物を見るべきですよね。

松倉さん

情報の怪しさの判断。っていうのも同じで「これなんか、普通と違うぞ?」というのに気付けるかどうかですよね。

Q.ネットとリアル、大人はどんな「学び」を伝えていけるのか?

渡邊さん

 これまでの話を踏まえると、子ども向けのワークショップ。というのは「本物に触れる」良い機会になりそうですよね。

自分もそういうことをやりたいと思う反面、ネット上には大学で教えているようなコアな情報なんかもあって「本当にそれが好きでやりたい!」という子なら、そこでもう自分で学んだり、作ったりしてますよね。そういった所との住み分け、ってどうしたらいいんだろう?

最初のタッチポイントとして、リアルな体験を提供するワークショップがある。という考え方でいいんですかね?

松倉さん

そうですね。身をもって体験する。ということが自分の中の問題点に対する「気づき」になったりしますからね。
知らないことを教える。というよりは、子どもたちの知らないことを知るための本物のワークフロー、というのは伝えられるんじゃないですかね。

ひらの

いわゆる、大人だから伝えられること。ってあると思うんです。今までみなさんが積み上げてきたものを、子どもにどうやってアウトプットしていくか。

それを「俺の話を聞け〜!」的に頭ごなしに言っても伝わらないから、あの手この手で、子どもが興味を持つであろうポイントを押さえていくことが大事なんじゃないかと思ってます。

baby toiの場合(子ども向けのアートデザインラボを開講中)は、今はスクール形式なのでまずは肯定感。
親や学校以外の大人に、認めてもらう機会を心の土台にするところから始めます。

その次は達成感ですね。スモールステップで、興味あることに対して個々のゴールを設定し、「やったー!」という気持ちを味わってもらいたい。と思いながらやってます。

渡邊さん

興味を持つポイントをピックアップしてあげたり、成功体験などは、ネット上で味わうのは難しいですもんね。リアルの場で取り入れていくこと、参考になりそうです。

Q.習いごとの、やめどきが全然わからない。

babytoi
バブバブ

これは、全親が一度は悩むことバブよね!子どもによって「やめる」タイミングはそれぞれだと思うけれど、その道のプロを目指しているわけでもない場合、習いごとをやめるときは本当に悩むバブ・・・さあ、どう斬る!?

松倉さん

習いごとを1年ぐらいでやめるケース、結構ありますよね。
一般的にはそれは「堪え性がない」って言われがちですけど、東大とかに子どもを入れてるお母さんなんかは「それは全然あり」だって言うんですよ。

例えば、空手でいうと、最初は全然できない。型もすぐには覚えられない。
だけど1年ぐらい続けていくと、だんだん覚えたことが活かせるようになってきて、試合にも勝てるようになる。
そのタイミングで「どうする?続ける?それとも、やめる?」って本人に聞くんです。

そこで子どもが「もう辞めてもいいかなぁ」と言ったら、スパッと辞めさせる

そして、また別のことを同じようにやらせる、と。

ひらの

辞めさせちゃうんですか(笑)
「せっかくここまでやったんだからもっと続けたら、さらに出来るようになるんじゃ・・・ワクワク。」とか、私なんてつい思ってしまいがちですけどね。

松倉さん

最初の1年は、どんなことでも急成長するんです。ゼロからのスタートだから。
そうすると、子どもの中には「自分は一気にここまでできた!」という自信がつく。

だけど、そこから3年続けて、同じように成功できるのか?というと実はそこからが1番難しくて、苦しい時期に突入するんです。

そんなことを経験させるよりは、もっともっと他のいろんなことに興味を持って、達成感を経験させる方が子どもには良いんじゃないか?という考え方です。

溝口さん

確かに、、行き詰まったり悩んだり、壁に当たるのは継続してしばらく経ってからですもんね。

そういう苦労を経験させずに、新しい方向を向く。というのは考えたことなかったなあ。

松倉さん

「そこで辞めた時のリスクって何?」って考えた時に、例えば「(もっと続けていれば)成功したかもしれない」というのもある。でも、そんなのなんの保証もないわけですよね。「辞めたことで、堪え性のない子になるかもしれない。」というのだって、そんなの誰もわかんないですよ、その時点では。

それよりは、子どもが「自分は、ここまで出来た!」と満足して、達成感を感じていることの方が重要なわけで。その達成感だけを刈り取る。という方が、理にかなっている気がする。

タイミングは人それぞれですけどね。その子の適性や習いごとの目的が何か?によって、やめどきは変わると思いますし。

ホワイトアスパラ

大人でも、いろんな仕事を経験していけばいくほど世の中の理解度って深まりますよね。自分は、いろんなプロジェクトに関わらせてもらって、大人になった感ありますもん。

松倉さん

世の中の理解の仕方は、変わってくると思います。「ずっと水泳しかやってません」という子と「いろんなスポーツやってきました」っていう子と、例えば同じ音楽家になった時に「表現力がどっちが上だろう?」というのはわからないけれど、もしかしたら幅広いことがメリットになってくるかもしれない。ひとつの考え方、ですけどね。

ひらの

なるほど!こんな考え方、まったく思いつきもしなかったです。

3歳からスイミングに行ってる友達の子がいるんですけど、その子、小さいころから会うたびに「スイミングもう辞めたい」って言い続けてるんですよ。
ママのOKが出なくて辞められずに、かれこれ7年になるんですけど(笑)。その子のママにこのお話、してみようかな。
今日は、膝を打ちすぎて、ズボンに穴があきましたよ。

babytoi
バブバブ

前半後半の内容が変わりすぎて、苦し紛れに作った「教えて!異業種先生」は予想以上に盛り上がり、このままあと5時間ほど喋り続け、そのまま飲屋街にでも繰り出しそうでしたが、みんな大人なので次の予定があったバブよ。

また定期開催したいと思いバブので、次なる参戦者もお待ちしておりバブ。

バブサロンvol.3にご参加いただきました皆様、本当にありがとうございバブた!
次回もおたのしみに。

前編 <まずは、AIから!?> はこちら

次回のバブサロンにご参加希望の方は、baby@to-i.net までご連絡くだバブね。お悩みも募集するバブよ!