3才になってからしばらくの間、自分の名前だけは読めるし書ける。
他の文字は読めないし興味もない。という時期が長かった。
むすこの時は、そのタイミングももっと遅かったので「まぁこんなもんか。」と思っていた。
そしたら、突然やってきたのです。
「ことばビッグバン」が。
急に目に入るひらがな全てが読めるようになる、その時期が!
これまで「ただの線か形」だったものが突然「意味のある情報」として頭に入ってくる感覚はどんなものだろう。
街を歩けば、ことばが溢れている。
看板や標識、建物の外にも中にもそこあそこに、ほら。
それを見つけるたび、ムスメは目をキラキラ輝かせてスクリーミングするのである。
「と…ん・か・つ…?ママ!トンカツだって!トンカツだよ!」
「お・で・ん…?ママ!おでん、て書いてある!!」
「た・ば・こ!ママ!(以下省略)」
脳内でバシバシとシナプスが繋がる音が聞こえるほど、めくるめく興奮。
大人になってしまった私は「文字は読めて当たり前」の世界に生きて、もう長い。
読めるようになった瞬間の喜びなんて、残念ながらもう覚えていない。
だけど、彼女の様子を見ていると
「それは、きっと震えるほどのことだよね。」と思うのです。
視界がずーんとひらけて、世界が何倍にも立体的に膨らみ、その中心に自分がいる。色のないモノトーンの世界に突如、色彩が飛び込んできたかのような、そんな全能感なんじゃないだろうか。
その大放出ドーパミン、母にも少し分けてはくれないだろうか…と羨ましく思う日々です。
大人でその感じ、分けてもらったとしたらかなりヤベー大人。になっちゃうと思うバブけど、子どもの友達は増えそうバブよね。