ウンポコさんの実家に来ています。
ひとの実家、というのは新鮮でおもしろい。
居間にこたつがあって、テレビを観ながらウトウトと眠ってしまった。
ひとの実家でここまでくつろいでいる自分もどうかと思うがお家の中も人も暖かく、何よりいつも見張っていないと何をしでかすかわからないレンの相手を常に誰かがしてくれるのでひさびさに心底リッラクスして夢とウツツの間をフワフワ~と気持ちよくさまよっていたのだ。
と、その時、目の前にこんな光景が突如あわられた。
ええと、まぁ、ご覧の通りホラ貝である。
お義父さんが赤ん坊の前でホラ貝を吹いているのである。
ボボウ!ボボウ!と立派に部屋中に鳴り響いてすらいる。
わたしの中では、ホラ貝を吹く人を実際に観たのは人生で2度目くらいでしかも寝起きだったので最初、真剣に「これは夢だ」と思ってしまった。
でも夢じゃなかった。その証拠に、この後その場にいるひとたちで順番にホラ貝を回して「誰がいちばん上手に吹けるか」というのをやった。
優勝はお義父さんだった。
このワケのわからなさといい、屈託の無さといい「お正月らしい展開」といえばそれまでなんだけど「寝起きでぼうっとしているところにホラ貝が回ってきて、それを吹く」という非日常行為がすんなりとその場にいる全員に受け入れられていて「ああ、実家っぽい!」と実感したのだった。
多かれ少なかれ、みんな自分の実家でこういうワケのわからないことを一度はやったことがあるに違いない。
そしておそらくその頻度はお正月の前後にピークを迎える。
その理由のほとんどはお正月で頭のねじが緩んでいる上「ヒマ過ぎて」。
このあと、わたし達は日本一のパワースポットと言われる知る人ぞ知る神社へ車で一時間かけて赴くことになった。その理由もズバリこれだ。
「ヒマ過ぎて」。