夕方買い物帰り、路地をぽてぽてと歩いていると急になま温い風が吹いて
「あ、夏の風だ」と思った。
条件反射的にこういう時、上京したてのはじめての夏を思い出す。
どこを歩いても知らない路地と建物ばかりで開け放された窓からはTVの雑音とか洗い物をがちゃりと置く音とか何てことない生活音が聞こえて、心細いような狂おしいような気持ちになる。
夜が近付けば近付くほど行き交う人の顔も灯りも街もかすんで見えてもわっとした夜の湿気の中、混然とひとつの塊になっていくのに。
誰か知っているひとの声が聞きたくて、立ち止まって、むせかえる。
そんな吹けば飛びそうな心持ちでひとり、初めての夏を迎えようとしていた自分からカメラがどーんと引いて、きゅるきゅるきゅると早送り一度東京上空までパンして夕闇から漆黒の夜、太陽が昇り朝焼け、ぎらぎら照りつける日中を経て、再び夕陽が落ちる。
カメラ同ポジに戻り時は2009年・現在。
同じように夏の気配が漂う路地にぽつんと立ってはいるがわたしの前にはベビーカーに乗った小さなこどもがいて、目が合うと神様みたいな(ビリケン)笑い方をする。
おもえーばーとおくーへーきたーもーんーだーー
はい、というわけでレンは1歳半になりました。
最近のレン
- サインはかなり増えてきた!
「おとうさん」「おかあさん」「電車」「音楽」「ヘルプ」「こんにちわ」
役に立つのは「あつい」「つめたい」などなど。
動物系はあんまり教えてないので何を見ても「犬」か「とり」か「魚」。
でも私とウンポコさんの前でだけ。
なぜか人前ではほとんどやらない。そろそろ言葉へ移行するのかな? - 「とんとんとんとんひげじいさん」など手遊び歌が狂おしいまでに大好き。
寝る前にうっかりやると「もっともっと」と何度も催促されて大変だ。 - 公園ではハト、ブランコ、すべり台の順で好きみたい。
ハトを追いかける情熱は他の追随を許さない。 - 言葉は「よいしょ」「バイバイ」に加えて「まんま」(ママのこと?)
物を落とした時は大人のマネをして「あーあ」とか言う。 - 前よりもずっと、食欲旺盛になった。よって二重あごが完成。