3ヶ月にわたる、ぬくぬく実家スローライフ(別名/人生の休暇)が終わろうとしている。
3ヶ月といったらかなり色々できそうなものだけれど、出産してたらあっという間だった。
はー、びっくりした。
何だスローライフって。ちょっと言ってみたかっただけじゃないか。
でもこれから再スタートする東京での暮らしを思うとこの贅沢な時間は「休暇」以外のなにものでもない。そしてどんな休暇でもそれが終わる時はモーレツさみしい。
さて、ひとりで来たのに帰るときはふたりです。なぞなぞのようだけど分裂したのでね、しかたない。しかたないと同時に心強くもあります。ああ、幸せと思ったりもします。そう思うとにわかに自分とレンの境が分からなくなった。
自分が作ったけれど、この小さなにんげんは私とは別の人間なのだ。
そうするとこれからの人生「わたしが幸せと思う状態が、必ずしもこの子にとって幸せとは限らない。だって個々のにんげんだもの。」という問題に突き当たる。
今まで、欲望の赴くまま自分の事を最優先してきたわたしですが
これからも同じようにというわけにはいかない・・・?
いかないじゃん?やっぱり。いかないよね?さてどうする??
いつもの楽しい夕餉の時間、母の作ったなめこと豆腐のお味噌汁をひとくち飲んだ途端、わたしは雷に打たれたように突然脳内でその問題に行きあたり(今更だけど)、ハタとお箸をとめた。とり急ぎ、目の前で白菜の漬け物をポリポリ食んでいる母に相談する。
「どうしよう?」
母が漬け物を食む、ポリポリという軽快な音がぴたりと止まった。
「お~こ~た~え~し~よ~う~」(本当にこう言った)
「母親が幸せで、精神的に安定している状態である。という事がこどもにとってもいちばんの幸せなのです。」
・・・なるほど。