お墓参りのため、田舎の家に来ています。
母達は客間に寝るから、とさっさと2階にあがってしまいわたしは普段、日本舞踊の稽古場になっているガラーンと広い部屋にぽつんと布団を敷いてレンと2人っきりで眠ることになった。さ、さみしい。
そして隣の部屋は仏間。。。
お盆だから帰って来るだろうし好きな人達だからそれについて別に怖いことはないんだけど、どうにも目が冴えて冴えて、ね・む・れ・な・い。
生前、ちょうどこの時期にこの家で会った時は美味しそうに冷えたビールを飲んでいたカッコいいおじさん。
嬉しそうにいそいそと台所でビールのツマミを用意する祖母。
記憶に残っているのは晩年の弱った姿ではなくていちばんイキイキとしていて、ふくふくと楽しそうな顔で冗談を言い合ったりしていた時の何気ないけど涙が出そうなくらいに懐かしい、いい顔だ。
お風呂上がりの石けんのふんわりした匂いと祖母の化粧水と夏の匂いが混じったような香りや話し声の余韻や時計の音まで伴った、立体的な記憶。
わたしもそんな風に誰かの記憶に残りたいから（まだ死にませんよ）なるべく沢山いい顔をしていたいと思う。
あしたビールとコップをお供えしよう。
