妊娠・出産・育児日記

乳腺炎とダチョウの死

2007年12月21日:代表ブログ(2007年10月〜2010年10月)掲載からの転用

代表 平野聡子 / satoko hirano

初の妊娠、出産、育児。約4年間の記録。

朝、不安な夢から目を覚まし、ベッドのなかで眠る傍らの赤子を抱っこしたら、途方もない虫に変わっているのに気がついた。
いえ、虫ではありません。紛れもなくわたくしの赤子であることに間違いはないのですがただズシリと重かった。腕が外れるかと思った。
昨晩はそれほどでもなかったのに一晩明けたらこんな重さに!
子泣きじじいなのか。
それとも大量のウンチを・・・?と
オムツに手をのばそうとして、そのまま息子氏ごとコロリとベッドに転がってしまった。

 
わたしは39度の熱があったのだった。
そういえば胸がはりさけそうにイタイ。これって恋?ではなく本当にヒリヒリとしてそっと触れるだけで痛いのだった。
頭痛や悪寒もひどくタクシーで産院へ行くと「乳腺炎」だった。
 
人生初の点滴を受けながら人生初のおっぱいマッサージ!(これがまた天井まで飛び上がるほど痛いけれど、一気に開通して楽になる)しかもわたしが横たわっているのは分娩室の分娩台。産院だけに普通の病室はないので、なんだかもう恐怖もひとしおだ。
「わースゴイ鳥肌!大丈夫?」
と驚いた助産婦さんに暖房を強めてもらうが熱のせいで寒くてしかたなくガタガタと毛布にくるまってふるえること1時間半。点滴のしずくの垂れるのろさに気が狂いそうになる。
同じ頃。。。

 

大阪のサラリーマンが「関西で越冬できるか調べるために」生後3ヶ月のアフリカンブラック種のダチョウを飼っていたらしいが寒さのためか小屋から脱走!国道を走っているところを通報されるも、捜索中のパトカーが発見したのは轢死したダチョウの哀れな姿であったらしい。大阪は今週、今期1番の冷え込みを記録していた。

なんてひどいお話!!
今のわたしはそのダチョウの気持ちが人間界で1番よくわかる。
寒いところに閉じ込められるというのは本当につらい!
寒過ぎて眠れないし頭のしんまでかじかんで、暖かい故郷ブラジルの事を考えることさえできなかったろう。
わたしだってここから脱走して国道を走りたいの。
大阪のサラリーマンよ。
そんなワケのわからん好奇心を発揮しないで頂きたい。
 
ほうほうのていで帰宅、朝まで死んだように眠ったら熱は下がっていた。どんな高熱でもたいがい1日でよくなるところがわたしの長所です。
長い夜が明けると、赤ん坊も元の重さに戻っていた。
ダチョウの冥福をお祈りします。