私が赤ちゃんだった時の話です。
母は、私が母のお腹にいた時から、あるレコードを私と一緒によく聴いていました。
私が生まれた後も、寝かしつける時にはいつもそのレコードをかけてくれて、私は幼稚園に入るまで毎晩その音楽を聴いて育ちました。
そのレコードの中にあった、マスネの「タイスの瞑想曲」が私は大好きだったのですが、曲名を覚えていないまま私は成長し、でもふと気付くと頭の中に「タイスの瞑想曲」が流れていて、いつの間にかほっとしている…という子供になりました。
そんな私でしたが、高校生になる頃には忙しくなりその曲のことも、その曲を思い出して安心することも忘れていました。刺激的なことばかり追い求めていました。
そんなある日、音楽の授業でこの「タイスの瞑想曲」を聴きました。私ははっとしました。これはお母さんが毎晩聴かせてくれた曲だ。いつも安心して眠ることができた、母は生まれる前から聴かせてくれていたと話してくれていた、あの曲だ。
当時私は、家に帰っても母とろくに口も利かないような関係になっていました。でも曲を聴いて、いろいろな大切なことを思い出した私は、母への感謝の気持ちが溢れてきて胸がいっぱいになりました。
その日は帰って母に会ったらすぐに、母にとってきた悪い態度を謝り、また感謝の言葉を伝えました。
母がいなかったら、音楽をかけて寝かしつけてくれなかったら、今の私なんて存在すらしなかったのですから…。
今は結婚もしている私ですが、折に触れて「タイスの瞑想曲」のCDを聴いています。
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赤ちゃんの今の月齢 : 出生前~4歳
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ニックネーム : ディーディー
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性別:女の子
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お住まい : 茨城県
思い出のレコードがディーディーさんとママさんを再び繋げてくれたバブね。大切な思い出をたくさん思い出すことができてよかったバブね。大人になっても変わらずにほっと安心する1曲はママさんのやさしさと愛情が詰まっているバブね。心あたたまるステキなエピソードありがとうございバブ♪