アーティスト・イン・児童館という試み
こんにちは。
つい最近、友達のオッ子に誘われて「アーティスト・イン・児童館」というプロジェクトの劇団・快快(FAIFAI)による「Y時のはなし」という演劇を観にいってきました。
これが・・・ひさびさに放心するほどガツーン!とくるすばらしさ、だった。
ちょっと未だガツーンときちゃってるので、想いばかりが先走り、うまく書けるかまったく自信がないのだけれど、なんかもう、あれをみんなに伝えたいんだよ!といった、小学生が壁新聞にぶつけるソレのようなまっすぐな情熱だけで、したためたいと思います。曇りなきまなこで。
まず、アーティスト・イン・児童館という試み自体がすごくおもしろい。
アーティスト=先生ではなくて「アーティストと児童館に来るこどもが、いっしょになって対等に作品を作る」
一言で言うとそういうことなんだけど、ソレってめちゃくちゃ難しいことなんじゃないかと思う。
だって、アーティストは思い通りの作品を作りたいに決まっているし、こどもといえば「決して思い通りにならないもの」の代表格だからだ。
右向け!と言われたら左を見るし、歩け!と言われたらめちゃ走りだす。
笑って、と言われたらひたすら変顔。ひとりだと心細いくせに、集まると最強。
それが、こども。
そんな「思い通りにならないこども達」と一体、どんな作品を作るんだろう?
わたしは観る前から興味シンシンだった。
めくるめく舞台のはじまり
会場はいわゆる、ふつうのキレイめな児童館のホール。
入ると、熱気とこどもの声がわんわん響いている。
おそらく舞台にあがるこどもたちなのだろう、続々と入って来る客の姿を横目に、興奮気味に話をしている。そこへ、司会の人がマイクで話しかけた。
「はい、みんなそろそろ集合してー。出る人は準備してください!」
しかし、こどもらはマイペースにウロウロしたりおしゃべりしたりしている。
なるほど、こどもを仕切るのってやっぱり大変そうだな〜、と思った矢先に
「あ〜、でもまだ30分もあるもんな。無理か。」と、司会の人。
わたしはちょっと面食らった。む、無理とな…!?
大人の感覚でいくと、舞台に出る30分前は、楽屋で神妙に待機してて当たり前だ。
あれ?でも、アタリマエって何?ていうか、それって大人の都合じゃね?
わたしの中のこどもが、首をもたげる。
そうだ、こどもにとって「30分」ってすごーく長い時間なのだ。
その30分間で、いろいろやりたい事や話したい事もあるのに、神妙に待機なんかできるわけない。
そういうようなことを、あのころの独特な時間の流れ方を、わたしは瞬時にぶわっと思い出していた。
そのこどもならではの感覚に、主催者側のおとながきちんと寄り添っていることが、なんだかとてもいいなあ、と思った。
下は幼稚園児ぐらいから、上は高校生まで「こども」とひとくくりにしていいのかも分からない50人以上のこども達が、今からはじまる舞台にわくわくソワソワしている。
近くに座っているだけで、それがビンビンに伝わってきて、こちらもにわかにキンチョーして生唾をごくり、のみ込んだ。
ステージ上をみると、学校のミニチュア、オレンジジュースが出る蛇口、たくさんのオモチャたち、わたがしの雲…などなど、こどもが無条件で食いつきそうな舞台装置がところ狭しと並んでいる。
むすこは早速「あれ、おれんじじゅーすがでるのかな?おれんじじゅーす!」と
案の定、思いっきり食いついている。
↑むすこの心をワシ掴みにした、夢の装置。(写真NGだったので拙い絵でスイマセン)
さらに「あるシーンで、紙ひこうきを一斉にステージへ投げていただきます」
と、観客全員に紙が配られて、紙ひこうきをみんなで折ることに。
ざっと見渡して、200人ほどのお客さんが一斉に紙ひこうきを投げたら壮観だろうなあ、と思いながら紙ひこうきを折る。
ここでも再びむすこ、興奮マックス!
それもそのはず、むすこの幼稚園カバンからは毎日くしゃくしゃの紙ひこうきが出て来るほど今、彼は紙ひこうきにはまっているのだ。
折ったら折ったで「いますぐとばしたい!いますぐにだ!」と騒ぐむすこの気を何とか他へそらしつつ(「ほら、ステージの上にジュースがあるよ〜アレいつ出て来るかな〜」)・・・
なんだか、めくるめく舞台の予感。
さあ、ついに開演!
☆長くなったので後編へ続きます。