妊娠・出産・育児日記

ついに出産当日!(その2)

2007年11月9日:代表ブログ(2007年10月〜2010年10月)掲載からの転用

代表 平野聡子 / satoko hirano

初の妊娠、出産、育児。約4年間の記録。

そんな苦しみの最中、わたしの様子を見に来たマリア様顔の助産婦さんに「今、子宮口3センチくらい開いたから朝9時くらいに赤ちゃんに会えるかしらね」と言われて(その時点でまだ午前3時)夜の長さにゾッとする。ヨガで習った鼻から吸って深く吐く呼吸法と「痛くても横にならずなるべくあぐらか座って過ごす事」というのだけは忠実に守りながら(そもそも痛くて横になんかなってられないし)すっかり寝入った亀のモーラと共にまんじりともせず過ごす。
 
と、それが良かったのかどうなのか午前5時、破水。
ザーー!とお湯のようなあたたかい透明の液体が子宮から流れてくるのがハッキリわかった。おおこれが!という感じ。
とるものもとりあえず急いでナースコールを押す。人生初のナースコール!
できればもっと華麗にプッシュしたかった。

 

午後5時15分、分娩室へ移動。

そこからはもう戦争のようだった。フリースタイル出産を推している病院なので横向き、座る、四つん這い、仰向け・・と言われるがままにポーズを変える。正直、大きな陣痛の波がもう1分間隔でやってきていて1ミリも動きたくないのけれどマリア様顔の助産婦さんに「動くと早く赤ちゃん降りてくるわよ!」と励まされ、これが早く終わる
なら自分何でもやります!とばかりに大粒の汗をかきながら必死で体勢を変える。「フリースタイル」という言葉の軽やかさからはおよそ想像もつかない大仕事である。
 
出産をラップのフリースタイルに無理矢理あてはめるとしたらば。

「あらかじめ用意した既成の出産スタイル(リリック)ではなく即興で
その人に合ったお産(歌詞)を考え、お産(歌詞)とスタイル(ライム)の
自由度(技術)を競う」

という感じかしら。
『お産とスタイルの自由度を競う』意味がよくわかんないのはまぁご愛嬌。
 
それにしてもなかなか出てこない。泣きたい。と思う間もなく目からお水がたくさん溢れでてきます。一体、赤子は今どのへんにいるのかしら・・・
「・・・なかなかでませんねえ・・」
陣痛の合間に弱々しくつぶやくとマリア様助産婦が
「そんな事ない!ちゃんと進んでるよ!」
と励ましてくれる。
お産って妊婦+3、4人の医師や助産婦がワーワー言って産むイメージだったけど、実際は始まりから終わりの10分前くらいまでこのマリア様助産婦とほぼマンツーマンだった。