おそるべきこども

おかあさんといっしょスタジオ収録にいったよ。②まさかの控室編

2018年1月31日

代表 平野聡子 / satoko hirano

こどもから学ぶ日々ブログ

【おかあさんといっしょスタジオ収録にいったよ。まさかの控室編】

 

真夏のNHKの横の坂を自転車で駆け上り、肩でゼエゼエ息をしているわたしと、全く対照的なまでに涼しい顔でリラックスしている鼻歌まじりの娘。

そんなアンバランスな親子が、とうとう集合場所のNHK正面入り口にたどり着いた。

 

時間にはまだかなり余裕があったけれど、すでにそれと思われる3才児と親、というペアが何組も付近をウロウロしている。

緊張した面持ちのお母さん(もしくはお父さん・両方)と、幼児。といった組み合わせが、わんさか。

中には遠方から来たのか、カートを押したご両親の姿も。

おそらく地方から新幹線で上京して、一泊して明日はディズニーランドとか行くのかな?といった風情。

 

「一生の思い出よね〜。〇〇ちゃん、頑張んなきゃね。」

 

などという、プレッシャー重めな会話が聞こえてくる。

 

周りをキョロキョロ観察していると、不意にお腹がゴロゴロしてきた。

 

まわりの緊張が伝染した?

いや、さっき一気飲みした冷えたペットボトルのお茶か・・・?

とにかくトイレ、トイレ。

娘も事前にトイレに行かせておいた方が良いだろう。

 

「えー。まだでない。トレイいかない!」

 

と主張する娘を、まぁまぁそう言わずに部長、いきましょういきましょう!みたいな感じでトイレにアテンドする。何事も、守りのリスク管理だ。

 

控室から一番近いトイレに駆け込むと、かなり混んでいる。

2つしかトイレがないので、おかあさんといっしょ組がズラリと並んでいる状態。

そうだよねぇ。やっぱり、そうなるよねぇ。

しししし、しかたない。まだ時間に余裕はあるし。

 

あんなに早く着いたのに、トイレを終えて出るころには、かなり時間ギリギリとなっていた。

すでに受付が始まっているようだ。

 

おそらく40組ほどの親子が、控室の前の廊下に二列に並んでいる。

 

 

「よし、娘、行こう!」

 

あわててその列の一番後ろに並ぶと、保育士さん風のピンクのエプロンをつけた女性(「おかあさんといっしょ」の女性スタッフはほぼ全員この保育士さんエプロンを着用)が、にこやかに応対をしてくれた。

どうやら、前から順番に本人確認が行われているようだ。

 

当選ハガキの名前と合っているか、の本人確認。

しかも、3才の子ども自身に「お名前は?」と優しく聞く。というハードスタイル。

きちんと名前を言えたら「ガラピコプー」のオリジナルTシャツをもらえる。というご褒美が待っているので、子ども達もソワソワ落ち着かない。

 

ここで、不正とか替え玉とかが発覚するケースもあるのかな?

なんて、心の汚れつちまっているわたしは邪推しつつ、娘の順番を待つ。

 

「モチベーション高子」こと娘は、トイレに並んでいる時から

 

「ねー、はやくいこーよー!はやくー!おくれちゃったらブンバボーン※1できないよー」

 

などと、ずっと行きたがっていたので、ここでもまた待たされるのが気に入らないらしい。

ついに機嫌が悪くなり、ぐずり始めた。

ヤバイ、ここでグズられたら続く本番までズルズルになってしまう可能性も・・・

 

しかし、気持ちは焦るが、そこは3才児ばかりの行列。

すんなり名前を言える子もいれば、恥ずかしがってママの陰に隠れる子もいて、なかなか順番が回ってこない。

ついに、あと2、3人で娘のターン!

 

ああ、良かった。

さあ、モチベ高子。スッと名前を吐いてしまいなさい!

そして、あの輝くガラピコTシャツをゲットするのだ!

 

という時になって、娘とつぜん

 

「だっこ」

 

(はあああああああああ?いいいいいいいい今!?!?)

と、仰け反るが、そんなシャイな言い訳は仮面に隠して

 

「ん?ほら、娘ちゃん、もうすぐ順番来るよ?ガラピコもらえるよ?」

 

と渾身の微笑み返し。

 

(この後、おそらく母子分離するのに、抱っこなんてしてたら里心ついちゃうではないか・・・もうすでに今から「パント」※2の人選も始まってるかもしれないというのに・・・!)

 

などと、心の中でブツブツつぶやいているうちに、すでにエプロンのスタッフさんは目の前にいる。

 

いかん、焦りは禁物だ。

とりあえず娘を抱っこした上で、受付を済ましてしまおう。と決めた。

 

スタッフさんは、笑顔を絶やさずに「お名前は?」と問いかける。

山のようにガラピコTが入った、魅力的な袋をチラつかせながら。

 

その吸引力たるや。

娘はさっきまでの甘えモードは何処へやら、キリッとモチベ高子の顔に切り替え

抱っこからシュッターン!と華麗に地上に着地。(と言っても50cmぐらいのジャンプ)


娘「バブ村(仮名)です。」キリッ

 

スタッフさん「あ、下のお名前も、教えてくれるかな?(汗)」

 

娘「バブ村サラです。」

 

ひ、一山、越えた・・・

 

ガラピコTを無事に手に入れた娘は、たいそう満足気である。

一瞬、もうこれで帰ってもいいかな?ぐらいの達成感に酔いしれそうになるが、まだまだ本番はこれから。

 

さあ、そろそろスタジオ入りだろうか。

と冷や汗をぬぐい、あたりを見回した時のこと。

 

信じられないものが目に飛び込んできた。

 

「お父さん、お母さん、こんにちはー!」

 

スタジオに入る前の注意事項を、若いADさんが保護者に向けて説明しに来・・・た・・・?

ん?やけにキラキラしたオーラの、若い男女・・・?

ていうか、体操のお兄さんと、歌のお姉さんご本人登場やんか!!!

 

そこには、TVで見るまんまのお兄さんとお姉さんが、ニコニコして立っていた。

えっ、スタジオ入りしてからお会いできると思ってたのに、こんな前段階で・・・?

 

お父さん・お母さんたちのザワつきが半端ない中、収録中の注意事項を話し始めるお兄さん。

 

TVを観ているときは、お兄さんの衣装、やけに色使いがはげし過ぎない?

とってもカラフルだな、と思っていた衣装も今日は特別カッコよく見える・・・

斜めにかぶったサンバイザーも素敵。

あれ、お土産売り場で売ってたら帰りに買っていこう。

私・・・どうしちゃったのかしら?

 

TVで毎日見ているスターたちが、TV以上のキラキラオーラ(詳細は控えさせていただくが、お兄さんは筋肉隆々でスタイル抜群、お姉さんは透きとおる肌に漆黒の瞳で本当にかわいい)を惜しげなくド正面でドバーッと放出した時、心の準備ができてない凡人がどうなるか、ご存知だろうか?

 

もう、カウンターパンチを食らったかのような衝撃。

ぼんやり歩いてたら、急にかめはめ波を正面から食らったかのようなショッキングさ。

 

普段、街中で芸能人をお見かけしても、こうはならないのに。

 

「え、こういうのって普通はADさんとかがやるやつちゃうの・・・?

お兄さんとお姉さんが、やってくれるんだ・・・!?」

 

何気なく頼んだ蕎麦屋の出前のお兄ちゃんが、菅田将暉ご本人だった。みたいな感じ?

この例えがどうなのかは置いておいて、とにかく思ってもなかったサービスを受けた喜びで、思考停止状態になってしまうのだった。

すでに、自分より10才以上も年下の男女のことを「お兄さん・お姉さん」と抵抗なく呼んでしまっている時点で、思考停止も良いところだが、それはもう許してほしい。

 

さらに、この「事前注意」の内容が、すごかった。

 

つづく。

(なかなか本番にたどり着けず、スミマセン)

 

※1
ウンバボーン=番組中のダンスコーナー。
体操のお兄さんといかにテンション高く踊るか、参加キッズたちの一番の見せ場でもある。

 

※2
パント=番組中のパントマイムコーナー。昔でいう「はいポーズ」ですね。
選ばれた参加キッズの中から、さらなる激戦をくぐり抜けた子わずか1名のみ!が出演できる憧れのコーナー。