妊娠・出産・育児日記

パンドラの匣、開ける

2009年10月22日:代表ブログ(2007年10月〜2010年10月)掲載からの転用

代表 平野聡子 / satoko hirano

初の妊娠、出産、育児。約4年間の記録。

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用事で上京中の母が「映画でも観ようか」というので、タイミング良く友達のトミナガ監督の撮った「パンドラの匣」が公開中と知り一緒に観に行くことにする。
「えー、太宰?」とあまり太宰が好きでないご様子の母だったが中学の時から太宰萌え(というらしい)のわたしに押し切られたカタチ。
ちょっと、のけぞるくらいに美味しい新大久保の高麗漢方参鶏湯で腹ごしらえして、6年前に死んだ愛犬の話などをしていたら母が「暑い日で扇風機を回してから出かけたら、扇風機の下で死んでいたのよ」などと不意に云うので落涙してしまった。なんで、そんなに泣くのよ?と言われたので「もうこれからは扇風機、という単語だけでも泣ける」と答えて母をみたら、母も泣いていた。
新大久保の韓国料理屋の片隅で、昼間からさめざめと泣く親子。
なんだかトゥーマッチに意味深だ。席が仕切られていて本当によかった。
 
その後、何事もなかったようにカラッとした気分でテアトル新宿までぽてぽてと歩く。お客さんは予想に反して(?)シニアで半数ぐらいが埋まっていた。というか平日昼間の映画館ってこんな感じなのか。
こんな時間帯に初めて来たから知らなかった。映画は、終わってから「好きだな!」と思った。「重い話の最中にふと現れる軽妙さ、阿呆らしさ」というのがたぶん太宰の重要な魅力のひとつで、そこがまたわたしの好きなポイントなのだけれど、そしてそれはバランスを間違えると悲劇的★大事故になる危険性を孕んでいるのだが、なんとも絶妙だった。原作に思い入れがある映画ってたいてい裏切られることが多いが適度に(大胆に?)アレンジしてあるにもかかわらず、裏切られるどころか凄く良い感じだった。タイトルデザインも役者さんも音楽もよかった。
監督曰く「菊地さんのテーマ曲や劇中歌ともども熱烈なファンを生んでいる」
というのもうなずける。
 
ついでに云うと、染谷将太君という主役の男の子がかわいいです♥
(なんか一気にアホっぽい感想になった)
 
というわけで、オススメなので是非みてください。
テアトル新宿にて絶賛上映中。